医療コラム

Medical column

産婦人科(婦人科) 河野照子

胎児超音波スクリーニング検査について

「妊婦健診でもエコー検査をしているけど、何が違うの?」と思われるかもしれません。

妊婦健診では赤ちゃんの発育、羊水の量、元気さに注目して観察しますが、スクリーニング検査では身体や胎盤、臍帯の構造の異常に注目して観察します。

胎児スクリーニング検査には妊娠初期に行うものと中期に行うものがあります。

初期スクリーニングでは赤ちゃんの首の後ろのむくみなどいくつかの項目から染色体の本数が通常と異なる病気(ダウン症や18トリソミーなど)や心臓の病気などの可能性について推定します。異常が疑われる場合は、追加検査(お母さんの血液や羊水から赤ちゃんの染色体を調べる)を行うか検討します。

中期スクリーニング検査では頭蓋内、顔、心臓、胸部、腎臓、腸管、脊椎、胎盤、臍帯などについて、通常の妊婦健診以上の時間をかけて細かく観察します。万一病気がみつかった場合は、生まれた後に急変する可能性のある場合は体制を整えて出産することができますし、ご家族が病気について出産前から知ることで、心の準備をすることもできます。また、生まれる時には症状がみられない病気であっても、出生後定期的にサポートを受けることができます。

超音波検査では近年の技術の進歩により、多くの事が分かるようになってきましたが、万能ではありません。知的発達や聴覚、視覚の異常、ダウン症など形態上は問題の無い異常はわかりませんし、すごく小さいもの(心室中隔欠損など)や見えにくいもの(鎖肛や指の本数など)はスクリーニング検査でみつからないこともあります。スクリーニング検査ではわからなかった異常が出生後にみつかることもありますし、逆に異常が疑われていたけれど正常な場合もあります。

当院で妊婦健診を受けられている妊婦さんには、日本超音波医学会認定の超音波専門医および超音波検査士による中期スクリーニングを行っています。

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